理科と美術が描く愛総中 ~味わい知り、世界の見え方が変わる~

 前回は、社会と技術の準備員よりお話を伺いました。

※ 第4回 社会と技術が描く愛総中 ~体験してワクワク、成長促す~

※ 第3回 英語と家庭科が描く愛総中 ~問いかけ考え、幸せを創る~

※ 第2回 数学と保健体育が描く愛総中 ~関わり考え、興味を持つ~

※ 第1回 国語と音楽が描く愛総中 ~感じて考え、伝える~

 5回目の今回は、愛総中準備員の理科担当Nさん・K2さんと、美術担当Dさんからお話を伺います。Nさんは愛知総合工科高校の開校当初から同校に勤務されており、K2さんとDさんは中学校教諭として勤務されています。

Dさん:「ワクワク」の一言に尽きます。入学の準備をする子どもたちが、新しい文具や教材を手に取って、「私、この定規買ったよ」などと嬉しそうに名前を書いている姿を想像すると、私も同じようにワクワクしてきます。私たち準備員も、準備室で真新しい教材を眺めたり、みんなで「これどうやって使う?」と触ってみたり、レクチャーし合ったりしているんです。その時の準備員の表情が、本当に明るくて楽しそうで。やはり、これから新しいものが始まるとき特有の、非常に良いエネルギーに満ちた状態にあると感じています。

K2さん:そうですね。これまでは子どものいない中で企画を進めてきましたが、実際に子どもたちが加わることで、それがどう形になっていくのか楽しみです。説明会などを通して、すでに特定の分野に関する興味関心や知識を持った子どもたちが集まってきていると感じています。そうした子どもたちと私たち教員が交わることで、お互いに成長していける環境ができているのではないかと感じています。自分の知らない世界を子どもたちから教えてもらい、教員自身も成長できるのではないかという期待があります。

Nさん:私はお二人とは少し違った視点なのですが、実は愛知総合工科高校の開校当時を経験しています。その時は、開校前の準備にはかかわっておらず、開校1年目から化学の教員として勤務しました。そのため、高校の教育理念の理解を深めるのと同時進行で、4月から授業を行ったため、「工業高校で普通科目の理科に何ができるのか」という不安に加え、物品もカリキュラムもどうなっているか分からない、まさにゼロからのスタートでした。正直に言いますと、普通科出身の教員が工業高校に来て、新しい環境・文化で、「とにかく考えて即実行する」ような、手探りの状態でした。

Nさん:全く違います。今回は、私を含め準備員みんなで積み上げてきた「自律・自主・好奇心」という確固たる教育理念を1年前から共有できています。教科の数が限られ、小規模であるからこそできることだと思います。そして、その理念に共感し、自分自身も入学生のような新鮮な気持ちで、「この学校でどんなことができるだろう」と期待しています。生徒の将来や人間形成に関わる大事な部分に携われることへの前向きな気持ちでいっぱいです。自分自身も変わらなければいけない部分はあると思いますが、生徒と共に変化し、成長したいと思っています。

K2さん:私は、理科を学ぶ意義は大きく二つあると考えています。一つは、自然現象を知ることで「世界の見え方が変わる」ということです。今まで何気なく見ていた空や星も、その仕組みを知ることで全く違ったものに見えてくる。知ることで視座が高まり、違う切り口で世界を見られるようになる。それが理科を学ぶ面白さであり、人生をより良くすることにつながると思います。

K2さん:知識そのものよりも「考え方」や「思考の技」を身につけることです。例えば、実験でデータロガーなどの新しい機器を使う際、単に使い方を覚えるのではなく、「なぜそれを使うのか」「どう分析すれば探究につながるか」という思考のプロセスを大事にしたいと考えています。理科を通して学んだ「見方・考え方」は将来絶対に役に立ちます。例えば、ワープロソフトが変わっても文章作成の論理が変わらないように、プログラミング言語が変わってもアルゴリズムの思考は変わらない。このように道具が変わっても対応できる「土台」を作りたいのです。

K2さん:その通りです。将来的に専門的な理工学を学ぶ多くの生徒たちにとって、ただ知識として「やり方」を知っているだけでは不十分です。公式を知っているだけでなく、それをどう使うか、どう自分で思考するか。そうした汎用的な力を、中学校の理科でしっかりと養いたいと考えています。

Nさん:私も同感です。加えて、理科では原子や分子など「目に見えないもの」を扱いますが、それを言葉やモデルで説明できる力は、将来エンジニアとして見えない現象を扱う際や、他者に概念を伝える際にも不可欠な力になるはずです。実は、工業科の先生方の話を聞いて驚いたことがあるんです。ものづくりにおける安全管理一つとっても、挨拶の声の大きさから徹底されています。それは単なる精神論ではなく、「工場では機械音が大きいため、声がかき消されないように大きく発声する必要がある」という、命を守るための合理的な理由があるんです。

Nさん:そうなんです。「なぜそうするのか」という背景や理由を知ることは、まさに理科的なアプローチです。そうした「理由」を含めて理解し、説明できる力を育みたいですね。高校生がスピーチなどで自分の言葉でしっかりと語れるのは、そういった背景理解があるからだと感じています。中学生にも、現象の背後にある理屈を面白がりながら学んでほしいですね。

Dさん:私はあえて「鑑賞」に力を入れたいと考えています。ものづくりにつながる学校なので「作ること」は当然行いますが、料理に例えるなら、美味しい味を知らなければ美味しい料理は作れませんよね。「味わう」経験、つまり鑑賞を通して、先人が作ったものや級友の作品、本物に触れることで、「自分はどう作りたいか」というゴールのイメージを持つことができます。

Dさん:はい。自分の知識や経験だけでは到達できないゴールを知ることで、そこから逆算して「何が足りないか」「どうすればいいか」を考えることができます。今の技術教育において、ともすれば「作らせて終わり」になりがちな部分に対し、美術が「良さを知る」「味わう」部分を担うことで、結果として質の高いものづくりにつながると考えています。例えば、料理で塩加減や焼き加減を調整するように、「ここはもっとこうしよう」「次は砂糖を入れてみよう」といった試行錯誤のプロセスを、味を知った上で学んでほしいのです。

Dさん:その通りです。

Nさん:私自身、絵を描くのが得意なわけではありませんが、美術館などで作品の背景や作者の意図を知ると、「なるほど、だからこういう色使いなんだ」と深く納得でき、見え方が変わります。

Dさん:私は、美術教育の究極的な目標は「人生を豊かにすること」だと思っています。例えば、毎朝ネクタイを選ぶ楽しみや、街中のコンクリートの打ちっぱなしを見て「面白い表情だな」と感じたり、夕焼けを見て「綺麗だな」と思えたりする。そんな日常のふとした瞬間に美しさを感じる感性は、その後の人生観を大きく変えるはずです。

K2さん:お話を聞いていて、理科と美術は似ているなと思いました。理科も「知ることで見え方が変わる」教科です。背景にある理論や、自然の法則を読み解くことで、これまでただの現象だと思っていたことが意味のあるものに変わる。その知的好奇心は、教科を越えて共通していますね。

Dさん:理工学的な興味に特化している子こそ、中学校という義務教育の段階で、美術や他の教科に触れることに大きな意味があると思います。一度視野を広げ、自分の専門外の領域に目を向けることで、結果として自分の武器が強化されたり、新しいヒントを得たりすることができるはずです。「美術は苦手だな」と感じたとしても、それもまた一つの発見であり、成長です。

Nさん:そうですね。失敗も含めて多様な経験をしてほしいです。社会に出れば、自分の経験則だけでは対応できないこともあります。たった一つの成功例しか知らないよりも、中学校での「チャレンジ」と「失敗」、そしてそこから「なぜ失敗したのか」を考えて改善していく経験が、将来社会で学び続ける力につながると信じています。

Dさん:学びの過程には矛盾があることもあると感じています。人生を豊かにするための勉強なのに、それで苦しんでしまうこともある。だからこそ、この学校では「探究」や「多様な経験」を通じて、学ぶこと本来の楽しさと価値を再発見してほしいですね。

K2さん:もし理工学的な興味が途中で変わったとしても、それはそれで素晴らしいことです。重要なのは、一つのことに没頭する経験や、多様な視点を持つこと。それが人間形成につながると思います。私たちの想像を超えて、生徒たちがまだ誰も拾っていないような「ヒント」や「種」を見つけ、それを理工学的な視点と掛け合わせることで、新しい価値を生み出してくれるのではないかと期待しています。それが、誰も見たことのない「新しい風」になる気がします。

Nさん・K2さん・Dさん:ありがとうございました。

合格者の方へ【今後の動きについてご案内】

合否の確認はこちらのページをご覧ください。
公開期間は終了しました。

【合格された皆さんへ】
 合格者の保護者は、令和8年1月26日(月)及び同年1月27日(火)の9時から15時までの期間内に、以下の書類を整え、愛知総合工科高校事務室(正門入ってすぐ右手)にご持参ください。
※学校からお渡しする書類や説明があり、1人あたり5~10分程度かかる予定です。そのため、受付状況によってはお待たせすることがあります。時間に余裕をもってお越しください。
 その際、受検者本人の立会は求めません。なお、上記の期間に「入学確約書」が提出されない場合は、入学の意思がないものとして判断させていただきます。

②受検票及び保護者の身分証明書(運転免許証等)

③については、以下のファイルをご確認ください。

①~③はすべての方にご提出・提示をお願いします。
※④は、出願時に登録した保護者とは別の方が来校する場合(例:入学願書に父親の名前を記載したが、母親が入学確約書を提出する。)にお持ちください。
※①・④については、愛知県教育委員会のWebページからExcelファイルをダウンロードいただき、入力したものを印刷していただいても構いません。

【入学確約書提出後の手続きについて】

〇1月30日(金)までに、居住する市町村の教育委員会(名古屋市在住の場合は居住する区役所または支所)に合格通知書を持参し、「愛知県立愛知総合工科高校附属中学校に進学する。」ことを申し出てください。

〇2月14日(土)の入学説明会に、受検者と保護者1名で参加してください。

〇3月1日(日)ころまでに、制服取扱店にて、制服の注文と採寸を行ってください。
※注文の受付日程は販売店によって違います。詳細はこちらのページからご覧ください。

【合格を辞退される場合】

 令和8年1月26日(月)及び同年1月27日(火)の9時から15時までの期間内に、愛知総合工科高校に合格辞退届をご提出ください。
※合格辞退届は愛知県教育委員会のWebページからダウンロードしてください。

合格発表について

合格者は、1/23(金)の10時頃に、愛知県教育委員会Webページで発表されます。

合わせて、本校 Web ページにて各種お知らせ(「入学確約書の提出について」「食物アレルギー調査」等)を掲載しますので、必ずご確認ください。

また、二次選抜合格発表後、合格者の必要な手続きについて、以下にお示しします。

1 「入学確約書」の提出

提出期間:1/26(月)及び1/27(火) いずれも9時から15時まで

入学確約書を提出いただいた方に、「合格通知書」と入学説明会の案内をお渡しします。

○やむを得ない場合を除き、提出されない場合は、入学する意思がないものとして取り扱います。

○合格を辞退する場合、上記期間に「合格辞退届」を学校に提出してください。

※出願申請で登録した保護者以外の方が入学確約書を提出する場合(例:出願申請の保護者欄に父親の名前を入力したが、母親が確約書を提出するとき)は、「委任状」を合わせてお持ちください。

2 市町村教育委員会への届け出

1/30(金)までに居住する市町村の教育委員会(名古屋市在住の場合は区役所または支所)に合格通知書を持参し、愛知総合工科高校附属中学校に入学することを申し出てください。

3 入学説明会に参加

2/14(土)の午前中に愛知総合工科高校にて説明会を行います。入学者本人と保護者1名の参加をお願いします。詳細は入学確約書の提出時にお渡しする案内をご覧ください。

欠員が生じた時の対応・保有個人情報の閲覧について

【2次選抜(面接)を受検した皆さんへ】
 合格辞退により欠員が生じた場合、2次選抜(面接)を受検し、合格者とならなかった受検者より、補欠合格者を決定します。
 補欠合格者の保護者に対し、以下の期間に、出願時に登録いただいた電話番号に連絡し、入学の意思を確認させていただく場合があります。
【期間】令和8年1月26日(月)から同年1月30日(金)
【時間】9時から17時
 「052-788-」から始まる番号からの着信には、ご対応いただきますよう、よろしくお願いいたします。

【入学者選抜を受検した皆さんへ】
 保有個人情報の閲覧については以下のファイルをご覧ください。

二次選抜(面接)について

一次選抜(適性検査)の合格発表はこちらのページをご覧ください。

一次選抜の合格者は1月17日(土)に面接試験を実施します。以下の案内から、集合時間などご確認ください。

また、二次選抜合格発表後、合格者の必要な手続きについて、以下にお示しします。

1 「入学確約書」の提出

提出期間:1/26(月)及び1/27(火) いずれも9時から15時まで

入学確約書を提出いただいた方に、「合格通知書」と入学説明会の案内をお渡しします。

○やむを得ない場合を除き、提出されない場合は、入学する意思がないものとして取り扱います。

○合格を辞退する場合、上記期間に「合格辞退届」を学校に提出してください。

※出願申請で登録した保護者以外の方が入学確約書を提出する場合(例:出願申請の保護者欄に父親の名前を入力したが、母親が確約書を提出するとき)は、「委任状」を合わせてお持ちください。

2 市町村教育委員会への届け出

1/30(金)までに居住する市町村の教育委員会(名古屋市在住の場合は区役所または支所)に合格通知書を持参し、愛知総合工科高校附属中学校に入学することを申し出てください。

3 入学説明会に参加

2/14(土)の午前中に愛知総合工科高校にて説明会を行います。入学者本人と保護者1名の参加をお願いします。詳細は入学確約書の提出時にお渡しする案内をご覧ください。

1/14(水)の合格発表について

1月14日(水)の10時、愛知県教育委員会のWebページにて1次合格者の発表が行われます。
高校や本校のWebページでは合格者の掲示・発表を行いません。必ず上記リンクから確認するようにしてください。

合わせて1月14日(水)の11~12時ころに、本Webページにて2次選抜(面接)のお知らせを掲載します。
1次合格者は必ずお知らせをご確認いただくようにお願いします。

1/10(土)適性検査について

受検者の皆さんへ
適性検査の前に、改めて以下のファイルをご確認ください。
(先月から「入学者選抜」のページに掲載しているものと同じファイルです)

○急病や交通途絶など、当日に緊急で連絡が必要な場合は愛知総合工科高校までご連絡ください。なお、当日は8時ころより電話受付を行う予定です。
○警報発令時や災害時などの緊急時は愛知県教育委員会のWebページで対応をお知らせします。

保護者の方へ
○試験会場には公共交通機関若しくは自転車・徒歩等でお越しください。会場となる愛知総合工科高校の周囲は交通量の多い通り・車両のすれ違いが難しい細い道となっています。送迎も含めて車での来校は禁止させていただきます。くれぐれも周辺道路への路上駐車をしないようにしてください。
○愛知総合工科高校のご協力をいただけたので、当日は保護者控室も用意しています。受検者1名につき、保護者1名までご来校いただけます。その際、保護者の方は上履き(スリッパなど)とともに下靴を入れる袋のご準備をお願いします。
○受験生が校舎に入ってからは、適性検査が終了するまで一切接触はできません。また、保護者控室に入って以降、検査終了まで途中退出することもできませんのでご了承ください(トイレは除く)。
○過去に国内で行われた中学校受検においては、プレッシャーと慣れない環境から、受検者が失禁や嘔吐をしてしまうということもあったようです。お子さんには、くれぐれも気負いすぎないようにお声がけください。また、そのようなことが起こった際は速やかに保護者の方に対応を相談させていただきます。心配な場合は着換えの準備があると良いかと思われます。

以上です。当日は会場にて愛総中に期待を持ってくださっている受検者と保護者の皆さまをお待ちしております。

社会と技術が描く愛総中 ~体験してワクワク、成長促す~

前回は、英語と家庭科の準備員よりお話を伺いました。

第3回 英語と家庭科が描く愛総中 ~問いかけ考え、幸せを創る~

第2回 数学と保健体育が描く愛総中 ~関わり考え、興味を持つ~

第1回 国語と音楽が描く愛総中 ~感じて考え、伝える~

4回目の今回は、愛総中準備員の社会担当Sさんと、技術担当Mさんからお話を伺います。SさんとMさんは、中学校教諭として勤務されています。

Sさん:準備委員となって9か月が経ち、多様な経験をさせていただきありがたいです。教科書選定のための調査から始まり、学校のきまりを一から作りあげるまで、学校の根幹に関わることを一から考えるという、普通は経験できないことをさせていただいています。また、準備員の方々と知り合えたことはもちろん、企業の方々とお話しをさせていただく機会もいただき、自分がこれまで関わることのなかった繋がりが生まれている実感があります。

Mさん:4月から開校準備に携わらせていただいて、誰もができる経験ではないので、本当に貴重な経験をさせていただいていると思っています。というのも、ゼロから新しい学校、新しいものを作る楽しさ、ワクワク感が、この半年以上の活動を通して自分の中ですごく増え続けています。固定観念や、前例の踏襲というものの考え方ではなく、何か新しい試みをやってみようとか、何か面白いことはできないかという考え方に、少しずつ自分の中で変化しているのを感じています。おそらく、今回の経験や人との出会いがなければ変化することはなかったのではないかと実感しています。

Sさん:出会った企業の方と生徒を繋げることが、直接的にこの経験を還元する方法だと思います。しかし、間接的な還元の方が大きいと思っていて、準備員会に参加することで、私の人生の経験値を上げることができていると感じています。まだ具体的にこうなるというイメージは持てていないのですが、生徒との関わりにおいて、じわじわとこの経験が生きてくると思います。

Mさん:私はどちらかというと想像力が豊かな方ではなく、決められたことを着実に実行し、改善を積み重ねることを好む性格です。しかし、愛総中の準備員会での経験から、新しいことに挑戦することへの抵抗感が小さくなったと思いますし、どうやってブラッシュアップしようかと考えることの楽しさが増しました。この自分の中で起きた変化を、生徒に伝えたいです。「ワクワクが成長を生むんだよ」というふうに。ぜひ生徒の皆さんにも体感してほしいことです。

Sさん:日々の生活を積み重ねることはとても大切なのですが、一生懸命がんばりすぎると、どうしても視野が狭くなってしまっている自分がいたと感じています。固定観念のようなものができあがって、その中で何が正しいか、どうしたらいいかとずっと考えてきた気がします。それがこの開校準備というこれまでとは異なる刺激をうけたことで、私の成長が促進されたのかもしれません。

Mさん:ワクワクが大きいと思っています。最近よく動画サイトで、会社経営者のように学校の教員ではない人の話を聞くことが増えました。働き方改革と聞くと勤務時間をイメージすることが多いですが、面白く仕事に向かえるようにすることも大事だなとか、視点や切り口が複数あることを痛感しました。このような、ワクワクや痛感するなど、感情が揺れ動くとき、成長の入り口に立っている気がします。

Sさん:先日準備員会の研修で行った「グラフィックファシリテーション」が私の成長の瞬間でした。最近、子どもたちに対しても、ティーチングではなくコーチングが必要な場面が数多くあると感じています。でも実際どのようにしたらいいか完璧にはわからず、課題感だけがある状態でした。しかしグラフィックファシリテーションで、自分の考えや気持ちが引き出され、皆さんに意思表明する体験を通じて、ファシリテーターの寄り添い方や、具体的な声掛けの方法を知ることができました。そして、ここで得た学びを、中学校の学年のリーダー達が集まる場で実践しています。

Sさん:そうです! 自然に会話が生まれて、場が和むんですよね。真正面から対話を始めるというよりは、みんな集まって、雑談ではなく、でも硬すぎない話から入って。ファシリテーションも「何」を感じているかという答えを求めるというよりは、「どう」感じてるかを聞くような。それにより、自分自身の内省が促され、より自分の本質的な思いを見つけられると思います。

Mさん:技術の教員じゃなくても分かることですが、設備環境がものすごく素晴らしいです。これまで班で1台、あるいは2人で1台、共有して使っていたものを、愛知総合工科高校では1人で1つ使えるとか。教材、教具に関しても贅沢な環境にあります。ぜひ高校と協力して、この環境を贅沢に活用したいです。それにより、これまで教材や教具を共有して2時間3時間かかってた内容が、1人1台でやることで時間短縮できます。そしてこの余剰時間を活用して、生徒の興味を引き出すような取組をしたい。私の頭の引き出しには、環境が整ったらこういうことがしたい、チャレンジしたいというアイディアがたくさんしまってありますので。こういうことが愛総中らしさにつながっていくのではないかと考えています。

Mさん:例えばプログラミングにしても、ただプログラミングするだけではなく、ロボットを動かすとか、少しレベルの高いグラフィックスにも挑戦できると考えています。それには数学の知識も必要になるのですが、ただプログラミングができるというのではなく、何に繋がるかまで伝えたいと思います。

Sさん:社会の授業で、愛総中だからこそできることはあまりないかもしれませんが、新しく作るこの愛総中に来る生徒が求めるものの中に、ものづくりやチェンジメーカーがあるのではないでしょうか。そこに向かっていく力を育てなければならないと思っています。具体的には探究する力。やはり自分で学び、発信できるようになってほしい。そのため、授業の内容をさらに追求して、自分でまとめたものを発信するなど、探究する力につながる授業を行いたいです。

Sさん:分野によっては、教え込むのではなく、最初に大きな課題を示して、それについて時間をかけて文章にまとめ発表する授業を行うことがあります。愛総中では、自分の追求する理工学的なテーマを決めて、それをまとめて発表する力が必要になるため、社会の授業で、この力を補完するようなことをやっていけたらと考えています。

Mさん:「探究」という言葉を易しい言葉に言い換えると、「夢中になる」だと私は思っています。学問に対して夢中になる。一個のことを夢中になって極めようとやり抜くと、一芸どころか実は多芸になって、できることが増えるのではないかと思っています。同時にいろんな人と関わるなかで、一人の人間として成長していってほしいです。夢中になって没頭することでいろんなものを得るでしょうし、一人じゃ絶対どこかで行き詰まる時があると思う。何らかの人との関わりはあるはずなので、そういうものも全部プラスの力に変えて、自己成長を促したいと考えています。

Sさん:近年、「どうしたいの?」と聞いても返事がないことが多くなってきたように感じています。私も年を重ねて、生徒との距離が離れていることもあるかもしれませんが、生徒が答えを教えて欲しいと思う、受け身な傾向が強まっているような気がします。だからこそ、授業では、こちらが「考えてごらん」と投げかけて、「こういうことを発信してみようか」など、寄り添ったり、時には待ったりして、生徒が気づきを得られるような環境を作りたいと考えています。

MさんSさん:ありがとうございました。